PROMINENCE 2 Lesson 6 Is the Internet Making Us Smarter?

Lesson 6
Is the Internet Making Us Smarter?
ネットのおかげで賢くなってるの?

一度にたくさんの情報を与えられすぎると、私たちの脳はおバカな決定をしてしまうことが研究で分かっています。ネットにアクセスしているときには、このようなことは脳の中で極めて頻繁に起こります。事実と意見の流れはとどまるところを知らず、この流れが意思決定に重大な影響を与えます。この課では、ネットが脳に与える影響についてもっとたくさんのことが分かるでしょう。

Part 1 本文和訳

ネット利用が増えるにつれて、ネットに使う時間が急速に増えてきます。2009年、北米の成人は、ネットに1週間当たり平均12時間使っていました。これは2005年の倍にあたります。典型的なヨーロッパの成人は、2009年に1週間当たり8時間近くネットにつながっていました。2005年から約30%のアップです。18~55歳の成人27,500人を対象にした2008年の国際的な調査によると、平均して暇な時間の30%をネットに使っていることが分かりました。中国の人が一番熱心なユーザーで、仕事外の時間の44%をネットに使いました。こうした時間にはスマホを使っている時の時間は含まれていません。さらに、テレビを見るのに使っていた時間のうちの一部をネットにかける時間に切り替えているとよく言われています。しかし、統計は異なる結果を示しています。メディア行動に関するほとんどの研究によると、ネット利用は増えている一方で、テレビを見ることは横ばいか増えているかどちらかだということが分かりました。暇つぶしの方法として、ネットがテレビに取ってかわってはいないということを意味しています。もっと正確に言えば、テレビと同じようにネットもまた、それなしでは生きていけないものになってきているということを意味しています。

Part 2 本文和訳

ネットのおかげで必要な情報が、すぐに手に入るようになってきています。ネットの力は、文字通りいくつかの国家に革命をもたらしたこともあります。例えば、エジプトでは社会的に政治的に異なる対立するグループが、SNSを通じて力を合わせました。リビアでもネットのおかげで、関係する政党は討論会を開いて決定をするために、面と向かって直接会う必要はありませんでした。このおかげで多くの命が救われました。「ペンは剣より強し」ということわざは、「オンラインはライオンより強し」に変わってしまったように思えます。しかし、私たちが情報を処理することに関して、ネットはどのような影響を持っているのでしょうか?

テンプル大学の研究者アンジェリカ・ディモカは情報処理に関する実験に参加してくれるボランティアを募りました。作業をしている間に、MRIを使って脳の活動を測定しました。情報負荷が増えるにつれて、意思決定を担当する領域における活動も増えました。しかし、被験者たちにますます多くの情報を与えるにつれて、この領域の活動は突然、低下しました。被験者たちはおバカな間違いや間違った選択をし始めました。優秀な意思決定にかかわる脳領域が、事実上、機能を停止してしまったからです。「情報過多のせいで、人の判断はどんどん合理性を失うのです」とディモカは言います。

Part 3 本文和訳

ネットは、他にどのような影響を脳に与えるのでしょうか? この問いは、今後数年でたくさんの研究テーマになることは確かでしょう。けれどもすでにもう、分かっていることや簡単に推測できることはたくさんあります。心理学者、教育学者、ウェブデザイナーたちによる何十もの研究によると、ネットにつながると、せっかちな読み、気を散らされた考え、表面的な学びを助長する環境に入ることが分かっています。

例えば、ある研究では、2人のカナダの学者が70人に短い物語を読むようにお願いしました。1つのグループは従来の直線的文書形式で物語を読み、一方、別のグループはハイパーテキストで読みました。ハイパーテキストを読んだ人たちの方が、物語を読むのに時間が長くかかりました。しかし、読んだ後の聞き取り調査では、読んだものについてよりたくさんの混乱を示しました。このテーマに関する他の研究と相まって、ハイパーテキストを読むのより従来の読み方の方がよりよい理解をもって読書することを証明しています。

Part 4 本文和訳

UCLAの精神医学の教授ゲーリー・スモールは、ネットは脳に広範囲な変化を引き起こすことを発見しています。「最近のデジタル技術は暮らし方やコミュニケーションの取り方を変えているだけではなく、脳も変えています。毎日、コンピューターや、スマホや、その他のこうした機器を使うと脳の新しい神経経路が強化され、その一方で古い神経経路は弱体化します」と語っています。

スモールと共同研究者たちは、ネット利用に対応する脳内の変化があるのかどうかを見るために、一連の実験を行いました。人がネットを検索し、スクリーン上で文書を読んでいるときには、本のような文書を読むときに示す脳活動と比較して、とても異なった脳活動のパターンを示すということを発見しました。本を読むときは言語と記憶に関連した領域で活発な活動を示しましたが、意思決定や問題解決に関連する前頭葉前部では活発な活動を示しませんでした。しかし、ウェブ検索作業では意思決定と複雑な推論を制御する脳の離れた領域に顕著な追加された活動が見られました。しかし、経験豊富なウェブ利用者に限ってのことでした。ネットにはたくさんの選択肢があるため、関連する情報を手に入れるためには何をクリックすればいいのかについての決定を人に要求したのです。

Part 5 本文和訳

UCLAの有名な心理学者パトリシア・グリーンフィールドは、人々の知能と学習能力について異なるタイプのメディアの影響に関する50件以上の研究を再検討しました。「どのメディアも他のことを犠牲にしながら一部の認知技能の向上を獲得する」という結論に達しました。ネットや他のスクリーンをもとにした科学技術の私たちの育ちつつある使用は、「視覚・空間技能の洗練された発達」につながっています。例えば、以前よりも上手に、頭の中で物体を回転させられます。しかし、視覚・空間知能での新しい強みは、「批判的に考えること、思い描くこと、深く考えること」を推し進める「深い処理」のような種類の能力を弱めるのです。

知能をネット独自の基準で定義する限りでは、ネットのおかげで私たちは賢くなっています。もっと広い伝統的な見方で知能を捉えるなら、すなわち、思考速度だけよりはむしろ思考の深さも考えに入れれば、異なった、とても気の滅入るような結論に到達してしまいます。

好むと好まざるとにかかわらず、ネットが影響を与え続けるのは明らかになってきています。私たちの脳は、ご先祖様の脳とは違っているのかもしれません。しかし、将来、優れた視覚・空間技能と深い処理技能をうまくバランスさせた人類になれるかどうかは、私たち次第なのです。