PROMINENCE 2 Lesson 5 Wonders Will Never Cease: Can the Loggerhead Survive?

Lesson 5
Wonders Will Never Cease: Can the Loggerhead Survive?
驚きは決して尽きない: アカウミガメは生き延びられるのでしょうか?

カメは好きですか? ウミガメが浜辺をゆっくりと動いたり、海を楽しく泳いでいるのを想像できますか? 研究者が長年ずっと興味を抱いている並外れた能力をいくつかカメは持っています。この課ではアカウミガメの素晴らしい航行能力について学びます。

Part 1 本文和訳

ある夏の夜、徳島県美波町にある大浜海岸沿いで、聞こえる音といったら浜辺に静かに打ち上げる波の音だけです。空には、星たちが明るく輝き、浜辺には人っ子一人見当たりません。突然、1匹の大きな生物が海から現れてきます。大きな前足2本を使って、自分の体を引きずって前に進んで行きます。体は約130㎏の重さがあり、約100個の卵を産む場所に到着します。夜にしか卵を産みません。卵を砂で覆った後、波打ち際まで戻って行って、波の中に消えて行きます。

この生き物は怪物ではありません――アカウミガメです。アカウミガメの産卵場所はとても限られていて、北太平洋海域内では、産卵場所は日本でしか見られません。海の中を何千㎞も泳いだ後、メスのアカウミガメは卵を産むために、自分たちが生まれた浜辺に必ず帰ってきます。アカウミガメの航行能力はとても驚くべきもので、長年、研究している科学者もいます。

Part 2 本文和訳

2カ月後、赤ちゃんアカウミガメが暗い中一斉に巣から出てきて、海に向かって走り始めます。浜辺とその周辺の野生動物たちは動きの遅いは虫類を餌にしようと待ち構えているかもしれません。しかし、アカウミガメが水に着くまで、夜のとばりが守ってくれるのです。

赤ちゃんアカウミガメは本能で海にたどり着く道を見つけます。水平線に見える一番明るいものに向かって動くのです――水は地面よりも多くの光を反射しますから、普通は星たちや月の海面上の反射に向かって動いていきます。

浜辺の明かりは赤ちゃんアカウミガメにとても大きな影響を与えかねません。夏の夜の間、人間は産卵場所の浜辺を注意深く暗いままにしておかなければいけません。もし浜辺やその周辺に明かりがありすぎると、赤ちゃんアカウミガメは混乱するかもしれません。海面で反射している光に向かう代わりに、人間が使う明りに向かって進んで行く赤ちゃんアカウミガメがいるかもしれません。結果として、前に言ったように、他の動物の餌食になったり、車に引かれたりしてしまうかもしれません。浜辺でただ丸く円を描いて動き回るだけで、夜が明けて日差しの中、体内の水分を大量に失って死んでしまう可能性もあります。

Part 3 本文和訳

ひとたび水の中に入れば、赤ちゃんアカウミガメは水平線の明かりを使うことはもうできなくなります。その代りに、波の方向を感じ取って、波に向かって泳ぎます。そうすることで、海岸から離れ、深い海に向かって旅をしているということを知るようになります。実験によると、実験用プールで泳ぐときにも、赤ちゃんアカウミガメは全く同じような行動をとることが分かっています。たとえ、研究者が波の向きを変えたときでも、近づいて来る波に向かって、いつも泳ぎます。実験用プールに波がまったくないときには、赤ちゃんアカウミガメは円を描いて泳いだり、でたらめな方向に泳いだりします。

かなり長い間、海の中を泳いだ後、赤ちゃんアカウミガメはとても深くて、もう波が案内役にならないような水域に到着します。波がいろんな方向に動いているからです。アカウミガメは、ここからはもう一つの航行能力を使います。アカウミガメはどの方向に向かうべきか知るために、地球の磁場を感知して使うことができることを示す実験結果があります。

磁場を使うこの能力は、別の方法でもアカウミガメにとって役に立ちます。アカウミガメは平均して生存期間の85%を海の中で過ごすのですが、海水温が10度を下回ると、動きが鈍くなり、動けなくなります。ですから、アカウミガメはとても冷たい水域を避ける必要があります。強力な航行能力のおかげで、避けることができるのです。

Part 4 本文和訳

アカウミガメは1978年からずっと絶滅危惧種のリストに載っています。確かに、産卵するアカウミガメの個体数はこの期間中、日本では激減してきています。科学者は、状況が悪くなっていく一方ではないかと思っています。例えば、地球温暖化によって引き起される海水面の上昇のせいで、産卵場所の浜辺が水没したり、食べ物を手に入れにくくなったりする可能性が高いのです。しかし、特に今、アカウミガメにダメージを与えているのは、人間の活動です。浜辺や海中にあるペットボトルのような、人間の捨てたゴミを食べて死んでしまうかもしれないのです。同じように、観光客相手のリゾート地の開発が進むにつれて、アカウミガメが産卵に利用できる浜辺は数が少なくなっています。

科学者は、アカウミガメの驚くべき航行能力の理解に向けて大きな進歩を遂げてきています。アカウミガメの生態に関する知識が増えれば増えるほど、生息地を守るのに役立てられるでしょう。生息地は餌をとるためにも、産卵するためにも、回遊するためにも大切なのです。いつか、世界を股にかけて旅をするこの驚くべき動物が絶滅危惧種のリストから削除されることが期待されています。疑いなく、日本はこれを実現させることに重要な役割を果たす必要があります。