PRO-VISION 2 Lesson 2 Are You Really a Sloth?

Lesson 2
Are You Really a Sloth? 君ってホントにナマケモノ?

First keep the peace within yourself, then you can also bring peace to others. ―― Thomas a Kempis
まず自らが平和な気持ちでいなさい、そうすれば他の人にも平和をもたらせます――トマス・ア・ケンピス

Part 1 本文和訳

たぶん皆さんのうちのたくさんの人が、この動物が何なのかを知っていることでしょう。しかし、この動物についてはそれほど多くのことを知らないかもしれません。この動物は中南米の熱帯雨林に住んでいて、ほとんど1日中、あまり動かないで、木の枝にぶら下がったり、枝の上で寝そべったりして過ごします。動くとしても、信じられないくらいゆっくりと動きます。そんなわけで、この生き物は、「ノロイ」という英単語から来ている“スロース”という名前を付けられました。

西ヨーロッパの探検家たちは、16世紀にナマケモノを見つけました。探検家たちは、この動物が怠けていると考えて、ナマケモノを軽蔑するになりました。科学者はより客観的であるべきはずだったのですが、当時の科学者たちでさえも同じ印象を持ちました。それ以来、最近まで、ナマケモノは怠けている、頭の鈍い、役立たずといった評判を持っていました。進化の失敗とさえ形容されたことがあります。

ナマケモノは西洋では「怠ける動物」というレッテルを獲得しましたが、熱帯雨林に住んでいる地元の人は、ナマケモノを良い友人だと見なしています。この動物の受けとめ方にこれほど大きな違いがあるのはなぜでしょうか? 答えはナマケモノの興味深い暮らしぶりにあります。

Part 2 本文和訳

ナマケモノは木の高いところにある枝で夜を過ごした後、日の光で目覚めます。ナマケモノが木の高いところで暮らすのには、もっともな理由があります。哺乳類としては珍しく、ナマケモノは恒温動物ではありません。体温が環境とともに変化します。日が当たる場所で暖まらなけらば、ナマケモノの体温はわずか30℃にしかなりません。体の機能のほとんどが停止します。ナマケモノが活動的であるためには、太陽の熱が必要なのです。

体温が上がり始めると、ナマケモノはお腹が空いていると自覚します。朝ごはんを探しにとてもゆっくりと動き始めます。1日に大きめの葉っぱを3枚しか食べません。重さにして7・8gです。これでお腹がいっぱいになるようです。日に1度だけの食事が終わると、ナマケモノは食べたものを消化するために、静かに枝にぶら下がります。信じられないかもしれませんが、ナマケモノは約20時間はまったく動きません。まるで木の1部になっているように見えます。
ナマケモノは太陽の熱が体温を維持するのを助けてくれるおかげで、ほんの少量の食べ物で生きていけるのです。太陽のエネルギーをうまく使い、エネルギー効率のいい生活様式を持っています。

WINDOW 1

ナマケモノは高い木の枝で暮らすことを楽しみ、めったに地上に降りてはきません。地上ではナマケモノは長い手を使って這って進みます。後ろ脚はとてもきゃしゃで、歩くのには使えません。しかし、手はとても強いのです。ナマケモノは地上では素早く動くことはできませんが、泳ぐのは得意です。体の大きさの割には比較的軽いおかげで、簡単に水に浮き、水の中では長い手を使って上手に泳ぐことができます。

Part 3 本文和訳

ある日の午後、ナマケモノは木から降りはじめます。普段より少し速めに動いています。地面に着くと、ナマケモノはシッポで木の根元に浅い穴を掘り、その穴にウンチをします。枯葉で穴を隠して、それから再び木の上に戻り始めます。こうしている間にも、ナマケモノは、ジャガーやタカや大きなヘビのようなたくさんいる敵のうちの1つから攻撃され、食べられてしまうかもしれません。ナマケモノは、なぜこのような大きな危険を冒すのでしょうか?

最近の科学的研究のおかげで、この行動には納得できる理由があるということが明らかになってきています。ウンチを埋めることは、ナマケモノの食料源、すなわちナマケモノが生活をする木を肥やすことに役立ちます。実際に、ナマケモノは、食べた葉っぱの栄養価のうちの約50%を木に戻します。

ナマケモノはただ本能的に行動しているだけですが、環境にとって大切なことを行っているのです。ナマケモノが木を必要としているのとちょうど同じように、木にはナマケモノが必要なのです。ナマケモノと木は森の中で共存して暮らしているのです。

WINDOW 2

How the sloth protects itself ナマケモノが身を守る方法

ナマケモノには、ジャガーやタカを含む敵がいくつかいます。ナマケモノが木の高いところにある細い枝に座っているために、ジャガーはナマケモノには近づきません。枝が折れてしまうことを知っているため、ジャガーはそうした枝には飛び移らないのです。もしタカがナマケモノの上を飛んでいたとしても、ナマケモノは自分を守る方法を持っています。ナマケモノの毛には藻類と呼ばれる小さな植物がくっついています。藻類は木にいるナマケモノをカモフラージュする役目を果たしますから、タカはナマケモノを攻撃しないのです。

Part 4 本文和訳

すべての動物は、厳しい環境に適応することによって進化してきています。他の動物よりも素早く動けるように進化してきている動物もいます。より強さを増すように進化してきている動物もいます。たとえ動きが遅く弱いとしても、ナマケモノは、自分の住む森と調和したエネルギー効率の良い生活様式を身につけることによって生き延びてきています。

ナマケモノは進化の歴史の負け組に属しているという人がいますが、これは間違っています。実際は、ナマケモノは熱帯雨林では他の哺乳類のほとんどよりも多くの個体数がいますし、この惑星に3,000万年もの間、生存してきています。間違いなく、ナマケモノは自然界の「勝ち組」と呼ばれなければいけないのです。

「ナマケモノは平和な動物です。いつも静かで、絶対に誰かに迷惑をかけませんし、誰とも争ったりはしないのです」とアマゾンのある種族のメンバーたちは言います。のん気なナマケモノは、アマゾンの民に愛されているのです。
1人のジャーナリストによると、ナマケモノはブラジルの熱帯雨林の原住民たちには「森にいるヤツ」と呼ばれているそうです。それでは、もしこの動物にみなさん独自の名前をつけるように頼まれたら、何にしますか?