POLESTAR 2 Lesson 9 The Most Advanced Water – “NEWater”

Lesson9
The Most Advanced Water ―― “ NEWater ” 
最も先進的な水――「NEWater」

普段使っている水はどこから来るのだろう、いつも使っている水はどのように作られるのだろうなどと、今までに考えてみたことはありますか? 国民に水を供給するのに興味深い方法を採用している国についての報告があります。

Part1 本文和訳

日本では、水が欲しいときにはいつだって、手に入れられるのは当然だと思われています。そして、実際に地球の表面の70%は水でおおわれています。ですから、地球には水があり余るほどたくさんあるように思われることでしょう。しかし、実際は世界の水の約97%が海水で、わずか約3%だけが真水なのです。さらにはその3%の内のすべてが利用できるわけではありません。実は人類は、地球の全水資源のうちのわずか0.8%しかすぐには利用できないのです。多くの発展途上国は適切な上水道網を持っておらず、何百万人もの人が汚れた水に関連する問題に苦しんでいます。

しかし、きれいな水の不足は発展途上国だけの問題ではありません。シンガポールを例にとってみましょう。いくつかの理由で、この比較的豊かな国もまた水不足の問題に直面しています。第1に、淡路島ほどの大きさの小さな島のシンガポールは、真水の源として使える大きな川を一つも持っていません。第2に、国土は平坦でダムを作るのが難しいのです。第3に、シンガポールは降雨量が豊富にありますが、水を保持してくれる大きな森も水田もありません。最後にこの小さな国には人口が500万人いて、しかも毎年数百万人が訪れます。シンガポールで使われる水の総量は年々増加しています。

Part2 本文和訳

こうした条件を考えると、シンガポールはどうやって水を手に入れているのでしょうか? 人造貯水池が主な水源です。シンガポールに降る豪雨はとても貴重な水源です。市街地を含む国土の3分の2に相当する地域に降る雨水が17の人造貯水池に集められます。

貯水池だけではシンガポールが必要とするすべてを供給することはできません。そこで、シンガポールは一番近い隣国マレーシアから水を買わなければいけません。マレーシアから輸入される水は、幅2kmのジョホール海峡を渡るパイプラインで送られます。しかし、2002年のある時、マレーシアはこの水の破格の値上げを要求しました。従来の100倍の値上げです。シンガポール政府はこの要求に脅威を感じました。シンガポールは海外の水資源への依存をより減らさなければいけないと知りました。

それがNEWater=新しい水が誕生したいきさつです。新しい水は、最も進んだろ過技術により浄化された下水から作られる水です。シンガポールの下水管を流れる廃水のすべてがリサイクルされます。廃水は高性能な浄化処理を受けます。最初に、0.2ミクロンの大きさまでの細かな粒子を取り除けるマイクロフィルターを廃水が通過することによって、固形物とバクテリアが取り除かれます。次に、重金属、ウイルス、農薬を取り除くために逆浸透膜を通過します。この段階で水はほぼ純粋な水になっています。最後に、この水は紫外線殺菌を通って殺菌消毒されます。こうした浄化処理が終わると、この水を飲むために完全に安全なものにするためにアルカリ性化学薬品が添加されます。

Part3 本文和訳

6万回以上ものテストを経て、新清水は人体に害がないだけではなく、貯水池からの水よりも味がよく、水質も高いということが証明されています。実際、新清水の水質は世界保健機関によって設定されている飲料水の水質基準とガイドラインをクリアーしています。

2011年の時点で、新清水はシンガポールの水需要全体の約30%を賄っていました。この数字は2060年までに50%まで上がると期待されています。新清水は、リサイクル水を使っているので決して枯れることのない水源です。さらに、水不足を抱える国によってよく採用される方法ですが、海水から真水を作る方法と比べて、新清水を作る方がかなり簡単で安上がりです。

しかし、新清水にも問題がないわけではありません。たとえ「水晶のように透明な飲み水」と形容されてはいても、下水からできているため、新清水を飲むのに気が進まない人も最初はいました。この問題を克服するために、当局は、リサイクル水を貯水池に放流し、水道水として人々の家まで送水される前に標準の浄水場処理を通過させ始めました。こうした1歩踏み込んだ手段と政府による広報活動のおかげで、シンガポール国民は新清水を徐々に受け入れ始めています。2002年の調査では、約80%のシンガポールの人たちが新清水を飲むのを気にしないと答えました。

Part4 本文和訳

水不足は、多くの国の農業と生態系に影響するだけではなく、国家の安全と繁栄にも影響します。万が一、水不足が世界的な食料不足につながると、日本にも深刻な影響を及ぼすに違いないでしょう。2010年の日本の食料自給率はカロリーベースでわずか39%に過ぎなかったのですから。

水をめぐる紛争は世界各地ですでに起こっています。トルコ、シリア、イラクのような中東の国々は、1970年代から水を巡ってずっと言い争い続けています。水争奪に関する問題は、ここ日本でも起こるかもしれません。2010年頃に、例えば山梨や長野のような、各地で川や湖の近くの森林地帯を海外企業が購入しようとしていると報道する新聞もありました。これも水資源を求めての世界的な競争の一部だったのです。

世界的な広がりを見せる水不足にどう対処すべきなのでしょうか? 鍵の1つが、高度なろ過技術なのは確かでしょう。日本の企業は、この分野で重要な進歩を成し遂げてきています。実際に、もし日本の技術がなかったら、シンガポールは新清水を作ることはできなかったかもしれません。この技術を使うと、21世紀の主な危機のうちの1つの水問題を解決する手助けをする際に、日本は世界のリーダーになれる可能性があります。