GENIUS 1 Lesson 9 Coffee and Fair Trade

Lesson 9

Coffee and Fair Trade

コーヒーとフェアトレード

Part1 本文和訳

世界中でとても多くの人がコーヒーを飲みます。普通の1日が終わると、約25億杯のコーヒーが消費されていることになります。

このとても人気のある飲み物は、1人のイスラム教徒の遊牧のヤギ飼いから始まったと言われています。ある日、エチオピアの村で疲れて眠りにつこうとしていました。飼っていたヤギたちが不思議な実を食べて、騒がしくし始めました。一晩中興奮していました。ヤギ飼いは、なぜこんなにうるさいのか不思議に思い、自分でその実を食べてみました。すると突然、性格が変わりました。疲れが吹っ飛んだのです。この実には何か刺激するものがあると気づきました。そして、この実を家に持ち帰りました。

それ以来ずっと、コーヒーは世界中に広まって(図1)、世界で一番取引される生産物の1つになっています。世界中で何百万人もの人がコーヒー産業で働いていて、コーヒーの栽培、加工、取引をしています。コーヒーは、ブラジル、コロンビア、ベトナム、インドネシア、エチオピア、インド、メキシコのような熱帯の国々の合計純輸出高の半分近くを占めています。

しかし、コーヒーは発展途上国が今日、抱える深刻な問題も表しています。

Part2 本文和訳

コーヒー産業にとって一番大きな問題は、生豆の頻繁な価格変動です。2001年に過剰生産のために生豆の価格は最安値レベルにまで落ち込みましたが、消費国で加工された製品に支払われる価格はほぼ同じままになっていました。
豊かな国家の大きな国際食品会社とコーヒー・チェーンが価格の下落から大きな利益を得ている一方で、多くの零細コーヒー農家は生産コストにも満たない豆への対価を受け取り、貧困と負債の循環を余儀なくされています。もはや子供たちを学校に送り出せない農家や、これ以上、医薬品にも食べ物にもお金を払えない農家があります。中にはコーヒー栽培地を手放さざるをえない農家さえ出ています。

こうした農家が受け取るお金は、先進国で消費者に対するコーヒー全体の価格の3%未満にすぎません。意外にも90%は豊かな国々のコーヒー加工業者や小売業者に行くのです(図2)。

この危機を解決できる方法が「フェアトレード」です。1ポンド当たり最低1ドルの国際的に合意されたコーヒー価格を要求する人もいます。この価格は史上最低価格の約2倍です。

Part3 本文和訳

フェアトレードは、道徳的に正しい方法で品物を作り、買い、売ることに関わりがあります。フェアトレードは最低賃金に関してだけではなく、働く人たちが良い労働条件を持つことと、環境がその品物を作ることでダメージを受けていないことを保証することにも関係があります。

フェアトレードの概念は40年以上もの間あったのですが、ラベル計画は1980年代後半まで始まってはいませんでした。実際に、1988年にコーヒーから、すべては始まりました。メキシコ産の最初の「フェアトレード」コーヒーが、オランダのある組織によって「フェアトレード」のラベルが貼られて、オランダ中のスーパーマーケットで売られました。今では、生の果物、花、コメ、砂糖、お茶、スポーツ用ボールを含むさまざまな品物が、国際フェアトレード認証機構(FLO)によって設定された厳しい認定基準を満たせば、フェアトレードのラベルを貼ることができます。

コーヒーに関しては、1ポンド当たり1.25ドルのフェアトレード最低価格を生産者は受け取ります。フェアトレード認定の有機栽培のコーヒーには、1ポンド当たり特別に0.2ドルが追加されます。さらに、1ポンド当たり余分に0.1ドルが追加されます。このお金は共同体レベルでの社会的、経済的投資のために生産者によって使われます。

Part4 本文和訳

フェアトレードのラベルのついた商品を買うことによって、発展途上国の人たちがよりよい生活を送ることを誰でも手助けできるのです。買い物は、貿易関係の力の不均衡や、児童労働や、環境破壊のような大切な問題に取り組む政治的な行動になり得るのです。

フィンランドのタルヤ・ハロネン大統領は次のように語っています。「私たち全員が、世界の福祉に消費者として責任を持たねばなりません。毎日、口にする食べ物の多くは途上国で作られています。ですから、フェアトレード製品は世界の発展を促進するために、毎日小さな行動を行うチャンスを皆さんに与えてくれているのです。」 アイルランドのロックバンドU2のメンバーのボノは、「買い物は政治行動だ。お金を使う時にはいつでも投票しているんだ。」と言っています。

しかし、もしフェアトレードが存続したいと思うのなら、生産者も責任をもって製品の品質を向上させなければいけません。ニカラグアのコーヒー業界の指導者は次の点を強調しています。「消費者は生産者を助けるためだけに買ったりはしないということは大切です。消費者が支払う価格は、品質のいいコーヒーに対するものでもあります。フェアトレードのためだけではありません。生産者側の責任、義務とは1杯のコーヒーが旧来の取引形態のコーヒーよりも良いものであるべきだということです。」

追い求められなければいけないのは、慈善行為ではなく、真の意味での公正な取引なのです。