GENIUS 1 Lesson 8 Water Crisis

Lesson 8
Water Crisis
水危機
Part1 本文和訳

地球は「水の惑星」だとよく呼ばれます。地球の表面の70%以上が水に覆われているからです。しかし、水のほとんどすべてが海水で、わずか0.01%しか飲むのに適していません。世界の人口の8分の1にあたる約9億人が安全な水を飲むことができません。

世界自然保護基金(WWF)は、報告書の中で、地球温暖化と相まって、資源管理のまずさが一番の先進国であっても水不足につながっている、と述べています。経済的な繁栄は、必ずしも水がたくさんあることを意味しないのです。ヒューストンやシドニーのような世界で一番裕福な都市のうちのいくつかは、供給できる量以上の水を使っています。ロンドンでは、老朽化した水道管からの水漏れにより、毎日、オリンピックプール300杯分に相当する水を無駄にしています。同時に、南ヨーロッパは気候変動の結果さらに乾燥してきていますし、大切な水源の北にあるアルプスの氷河は縮小しています。

さらに悪いことには、世界の人口の急激な増加と地球規模の水不足が、ほぼ確実に起きると思われます。WWFは、地球規模での水保護を呼びかけ、裕福な国に対して給水システムを改善し、気候問題を解決することによってお手本を示すように要請しています。

Part2 本文和訳

さらには、裕福な国々は、発展途上の国々の水を間接的に使っています。果物や、野菜や、衣類や、車でさえも作るのには水が必要です。そうした商品を輸入するということは、作るときに使われた水を輸入することです。こうして使われる水は「仮想水」として知られています。使われた実際の水は、最終的に作られているものの中に、もはや含まれていないからです。

仮想水という概念は、いろいろな物やサービスを作るのにどれほどたくさんの水が必要とされているのかを理解するのに役立ちます。家庭用品の中にも、工業製品の中にも仮想水はあるのですが、消費される水の大部分は、食べ物の中に隠されています。1㎏の小麦を作るのには約1,300Lの水が必要で、1㎏の卵を作るのには約3,000Lの水が必要で、1㎏の牛肉を作るのには約13,000Lの水が必要です。牛肉が小麦の10倍もの多くの水を必要とする理由は、肉牛たちが直接、水を飲むだけではなく、草や穀物を食べるからです。草や穀物を育てるのにも、水が必要なのです。1杯の牛丼を食べると約2,000Lの水を消費することになります。

Part3 本文和訳

一見すると、日本は水が豊富なように思えるかもしれません。日本の年間降雨量は約1,700㎜で、世界の平均年間降雨量の2倍です。しかし、人の消費に利用できる水の総量は、想像しているのより少ないのです。日本での1人当たりの天然資源としての水は、世界の平均の半分より少ないのです。もし日本には水不足はないという印象を持っているとすれば、それは日本が海外から食べ物の形でとても多くの量の水を輸入しているからです。

実際に、日本は世界一の食料輸入大国で、食料の60%を輸入に頼っています。おそらくはとても日本的な料理だと思われている天ぷらそばを例にとってみましょう。天ぷらそばの食材のわずか20%しか日本で作られていない、と知ると驚かれるかもしれません。いろんな種類の食べ物をこのようにすべて輸入することで、日本は世界で一番仮想水を輸入する国の1つになっています。

仮想水を輸出する国が必ずしも水の豊富な国だとは限らないという点は注目されるべきです。もし輸入国の消費者がもっと安い製品を要求すると、乏しい水資源をさらに無駄に使うことをたいていは促すことになります。

Part4 本文和訳

今行っているのよりも優れた方法で水を節約したり管理したりすることは、もちろん大切です。しかし、それでは十分ではないかもしれません。人間の消費を十分にまかなえる真水の供給を増やす方法は、海水から塩分を取り除く淡水化の技術を使う方法です。淡水化のために相当の数の方法が開発されてきていますが、今のところ、「逆浸透」が一番有望な方法のように思えます。

浸透とは液体が膜を通過する手順のことです。自然の状態では、純粋な水は膜を通って、塩水を薄めます(図1)。このため塩水をたくさん飲めないのです。もし塩水をたくさん飲んでしまうと、体内のすべての水が塩水を薄めるために胃に向かうことになり、病気になってしまうことでしょう。体がもっとたくさんの水を必要とすることになるからです。

逆浸透は反対の方向に作用します。塩水にかけられた圧力が、塩水に無理やり膜を通させます。しかし、特別な「逆浸透膜」は、塩を一方に留まらせ、純粋な水だけを他方に移させるのです(図2)。
研究者と技術者は、より良い、より安価な浄水方法を考案しようと努力してきています。こうした努力が水危機を緩和する方法を発見してくれることが希望です。