GENIUS 1 Lesson 6 Magic and the Brain

Lesson 6

Magic and the Brain

マジックと脳

Part1 本文和訳

科学者はマジシャンの技術について真剣に調べ始めています。脳がどのように働くのかをもっとよく理解するのに、マジックは役立つかもしれません。マジックが何か人間の注意や意識に関するものを教えてくれるからです。

マジシャンは、お客さんが見ている物を操作します。お客さんが気づいている物と気づいていない物をコントロールします。マジシャンは、現実についての勘違いを作り出します。脳は勘違いが起こる場所ですから、マジックでは、見ている人は自分自身の脳にだまされます。

見ている人は最後の「結果」に注意を払います。マジシャンは、人が見ている物を操作するために2つの技術のうちの1つを使いますから、見ている人は「方法」、すなわち結果の背後にある秘密に注意を払いません。1つ目の技術は、お客さんの目を方法からそらすことです。もう1つの技術は、お客さんの目を他の所に向けないで、方法から注意を引き離すことです。実際、お客さんは方法を見ているのかもしれませんが、方法にまったく気づいていないのかもしれないのです。

Part2 本文和訳

2つ目の方法はもっと巧妙な技術です。科学は、この技術には少なくとも2種類あることに気づいています。「変化の見落とし」では、ある場面についての何かあるものが、以前のそのものの様子とは違っていることに人は気づきません。変化は予想されているかもしれませんし、予想されていないかもしれません。しかし、大切な点は、いつでも場面をただ見ているだけでは、人は変化に気づけないということです。ただ眺める代わりに、「前」と「後」の2つの状態を比較しなければいけません。

もし素早い目の動きのような瞬間的な注意の中断のときに大きな変化が起きると、ある場面でたとえ大きな変化であっても、気づかれないですむことを示している研究がたくさんあります。

CHANGE BLINDNESS

変化の見落とし

自分の心を読まれないように!

98%の確率で君が選んだものを予言できます。

1.下の6枚のトランプのカードを見てください。1枚を選んで、それを覚えてください。
2.忘れないように数回そのカードを言ってください。覚えた後は、右の目の中から1つ選んでください。それから、75ページを開いてください。

Part3 本文和訳

「不注意による見落とし」では、前と後とを比較する必要はありません。その代わり、人は目の前にある、予想していなかったものに気づけないのです。典型的な例では、3人のバスケットボール選手が、他の3人の選手から出されたパスは無視しながら、先の3人の間で何回パスをしたのか、被験者は数えなければいけませんでした。被験者は数えるのに集中していたため、被験者のうちの半数はゴリラの着ぐるみを着た人が部屋を歩いて横切ったことに気がつきませんでした。これが「不注意による見落とし」が作り出された瞬間です。回数を数えることが被験者の注意をそらせて、被験者はゴリラを見損ねたに違いありません。

INATTENTIONAL BLINDNESS

不注意による見落とし

コインがどこからともなく出てくる

マジシャンが右手でコインを12枚どこからともなく取り出して、その12枚のコインをバケツに投げ込むふりをします。しかし、マジシャンはコッソリと、どちらの手にもコインを6枚ずつ持っています。

1.「この空っぽのバケツの中をご覧ください。右手を見てください」

1枚のコインがどこからともなく出てきています。マジシャンはそのコインをバケツの中に投げ込むふりをしますが、左手からコインを落とすのです。

2.「もっとたくさんコインを取り出して、バケツの中に放り込みますよ」

3. マジシャンはあと5回同じことを繰り返します。

4.「バケツの中にコインが何枚あるかわかりますか?」と言って、マジシャンは突然バケツの中に右手から5枚のコインを落とします。みんなどうやって、マジシャンが右手にコインを11枚持っていられたのか不思議に思います。

5.「もう1度、右手を見てください。ここに最後のコインがあります」

6.マジシャンはバケツから11枚のコインを放り投げ、「こんなにもたくさんのコインがどのようにして、どこからともなく出てきたのかわかりますか?」と聞きます。

Part4 本文和訳

驚くべきことに、人ははっきりと示されている物よりも、暗示されているだけの物を受け入れさせられるように、だまされる傾向があります。

脳を研究するために、心理学者のグループはマジックを使う方法を開発しました。グループは2枚1組の写真を何組か見せて(a)、どの組からも好きな方の写真を選ぶようにお願いしました(b)。それから、心理学者は2枚の写真を裏返しにして、被験者に気づかれないように、1枚の写真ともう1枚の写真を取り換えました(c)。

自分が選んだ写真であるはずの物だけれども、実際は、自分が選んだ写真ではない物をもう1度、被験者が見せられて(d)、なぜこっちの写真が好きなのか理由を述べるようにお願いされたときに、被験者の70%を超える人が説明をしました。この現象は「選択についての誤認識」と呼ばれています。被験者が選んだということを暗示することによって、心理学者は、被験者が自分の行った選択を――実際は選んでいなかった選択でさえ――どのようにして正当化するのかを研究することができました。

脳がどのように働いているのか、私たちはたった今、理解し始めたところです。脳の機能をほぼ完璧に理解するまでには、時間がかかることでしょう。しかし、さらなる研究が、ヒトの脳の神秘のうちのいくつかを解明するのに役立つでしょう。

I Read Your Mind
あなたのの心を読みます

下のカードを見てください。君の選んだカードが取り除かれています! 私はうまく推理できていましたか? もし私がどのようにやったのか知りたいなら、さらに読み進めてください。

71ページの6枚のカードを見てください。このページの5枚のカードと比べてみてください。何が違うでしょうか? 目を1つ選ぶことが、君の注意をそらすことになったのかもしれません。君は変化の見落としを経験したことになります。