CROWN 2 Lesson 8 Before Another 20 Minutes Goes By

Lesson 8
Before Another 20 Minutes Goes By
さらに20分がすぎる前に

(pp.120-127)

 対人地雷は人を傷つけるように、あるいは人の命を奪うように設計されている。対人地雷は見つけることも取り除くことも難しい。日本の科学者たちは、地雷を見つけて破壊する世界的な活動に参加している。広瀬茂男はいくつかの地雷除去ロボットを考案してきた。

Section 1  本文和訳

 対人地雷は、踏まれたときに爆発するように、地面にあるいは地中に埋設される。地雷にはたったひとつの目的しかない。つまり、人を殺すこと、傷つけることだ。地雷で負傷した人々の多くはゆっくりと死んでいく。生存者も多くの場合、苦痛、貧困、そして差別の人生を送っている。

 地雷は見ることも聞くこともできない。地雷は兵士を子どもとも、おばあさんとも、乳牛とも、そして象とも区別できない。なにかが地雷に触れると、爆発する。地雷は大変長い間、作動可能な状態を保つ─それは50年間、たぶん1世紀間という期間でも作動できるままであろう。

 世界中でどれくらいの数の地雷があるかだれにもわからない。おそらく1億2千万個もの数だろう。毎年2万5千人近くの地雷の被害者が出る。つまり、それは20分にひとりが命を落としたり、けがをしている、ということだ。

Section 2  本文和訳

 地雷を廃絶するために努力がなされている。オタワ条約は、対人地雷の使用の終結を目標としており、1999年に発効し、いまや150以上の国々によって署名されている。地雷除去活動は継続しているのだ。

 しかしながら重要な問題は、政府やNGOがそれほどまでに多くの地雷をほんとうに除去できるのかどうかだ。答えは単純だ。この事業は多くの人々の助けなしでは成し遂げることはできない。

 広瀬茂男は、貢献できる方策があると考えている。日本は世界で製作されているロボットの70%近くを作っており、広瀬は何年間もロボットを製作してきた。1990年代の初めから、ロボット工学を活用して、広瀬は地雷除去の国際的な活動に貢献してきた。1996年に、広瀬は最初の地雷除去のためのロボットについての研究論文を発表した。

 地雷を探知して除去するために広瀬が開発した最初のロボットは、タイタンIXと呼ばれ、長さ1メートル、幅90センチメートルのロボットだった。四本の脚で岩や砂の上を歩き回り、地雷を見つけて除去することができる。現在、広瀬は地雷に圧力をかけることなく低木の茂みを動くことができる蛇のような形のロボットを開発している。

Section 3  本文和訳

 2002年に、日本政府は、地雷を探知して除去するための技術を研究する研究グループを編成した。この研究グループは、アフガニスタンが戦争の被害から回復するのを援助する国際的な活動の一環をなすものだった。この研究グループと共に広瀬はアフガニスタンに行った。

 広瀬は地元の人々が、一つ一つ、単純な道具で、地雷を除去するのを見た。最初に地雷の場所を見つけなければならなかった。そして、地雷の周りを慎重にナイフで掘って、地雷の上から土を取り除いた。地雷が見えると、彼らは自分の指で信管を取り除くか起爆装置で爆発させるのだった。このような作業がどれほど危険かということがわかり、広瀬は自分が開発したロボットを使ってこの作業をおこなう方策が必ずあると考えた。

 広瀬はアフガニスタンの人々に、タイタンIXがどのようにして彼らが地雷を除去するのを助けることができるかを説明した。驚いたことに、アフガニスタンの人々はこのロボットがアフガニスタンで機能するとは思わなかったのだ。いくつかの問題があった。まず第一に、タイタンIXは価格が高すぎた。第二に、故障したときに修理するのが難しかった。第三に、最も重要な問題だが、アフガニスタンの人々は彼らの地雷除去の仕事をタイタンIXが奪ってしまうのではないかと恐れていた。

Section 4  本文和訳

 日本に戻り、広瀬はアフガニスタンで見つけた問題を解決するべく仕事に取りかかった。広瀬が思いついた考えは、ふつうの四輪車を使うことだった。彼はグリフォンVを開発し、そのグリフォンVには地雷の場所を特定できる可動性のアーム(腕)が装着されていた。長いアームを伸ばして、グリフォンVは地雷がどこにあるか印をつけることができる。その後で、アフガニスタンの作業員が単純な道具を使って地雷を除去できるのであり、このことはアフガニスタンの作業員の人々が仕事を確保できることを意味する。グリフォンVはタイタンIXよりもはるかに低額で、故障しても簡単に修理できる。そしてこの新ロボットは単純で、アフガニスタンの作業員の人々も操縦できる。

 ほかの日本の科学者や技術者も、さまざまな様式のロボットを開発するために、努力してきた。千葉の大学の研究者たちは、金属探知機を装備した昆虫型のロボットに取り組んでいる。あるNPOは、画面に地雷の画像を示すことができるロボットを開発した。山梨県のある会社は、爆発をさせて地雷を除去する機械を開発した。

 地雷除去の技術において、広瀬やほかの日本の科学者と技術者は、着実に成果を挙げている。日本は、地球から地雷を除去する国際的な運動に貢献している。

 一刻の猶予もない。私たちは人間の苦しみにおいて刻まれる時間との競争でこの問題に取り組んでいる。20分にひとりの人が命を失い、あるいは傷ついているのだ。