CROWN 2 Lesson 7 Why Biomimicry?

Lesson 7
Why Biomimicry?
なぜバイオミミクリーなのか

(pp.104-111)

 科学技術のおかげで私たちは快適な生活を送ることができる。しかし、ときには私たちの作った技術が自然界に損害を及ぼしている。科学作家であるジャニン・ベニュスは私たちの作った技術を自然に調和させる方法、すなわち「バイオミミクリー」を提唱している。

Section 1  本文和訳

 地球上で人類ほど多くの事を多く成しとげてきた生き物はいない。私たちは航空機、電車、コンピューター、携帯電話、薬、殺虫剤のような多くの有益なもの、そして学校、大学、病院、銀行のような施設を作ってきた。それらがなかったら、近代世界は存在していないだろう。

 これらのものにより私たちは至る所へ旅行し、情報を早く集め、学習し、そして病気を治療することができる。しかし、私たちが作ってきたものはときに害を及ぼすこともある。殺虫剤は害虫を殺すが、土壌を汚染することもありうる。私たちは車を必要とするが、二酸化炭素は地球温暖化の主な原因のひとつであるかもしれない。

 今私たちが問わなければならない質問は、「もし私たちが自然と調和して暮らしていくとしたら、私たちの快適な生活様式は維持できるのだろうか」ということである。言いかえれば、どのようにすれば持続可能な生活を私たちは送ることができるのだろうか。

Section 2  本文和訳

 ジャニン・ベニュスは、この質問に対する答えは自然にひらめきを頼ることで見つけられるかもしれないと示唆している。バイオミミクリーという語は、生命という意味のbioと、模倣という意味のmimesisから作られている。彼女は自然を模倣することにより、自然に優しいやり方で暮らす方法を見つけ出すことができると言っている。なにしろ、自然は38億年間、生命を維持させる環境を持続することが可能だったのだ。しかし今、その環境が脅かされている。私たち人類は自然を観察し、自然からひらめきを見つけ出そうとすることで、どのようにして私たちの環境を維持したらいいのかを学ばなければならない。ベニュスの心の中にある自然とは私たちの師であり、私たちの模範である。

 ベニュスは私たちに思い出させる。ひとたび自然について、ではなく、自然から学ぼうとすると、感嘆の念を覚えるかもしれないと。事実、私たちが夢に描くしかできないことをする、あらゆる種類の動植物が存在する。現代の一番の航空機よりももっと素早く動くトンボはどうだろう。3グラムより少ない燃料で何百キロも飛べるハチドリはどうだろう。自分の体重の何倍もの重さを運べるアリはどうだろう。彼らは自然に害を与えることなく、このようなことをしているのである。

Section 3  本文和訳

 ベニュスは、解決策がないからではなく、私たちが正しい方向に目を向けていないから、環境問題に直面していると信じている。事実、特にデザインの分野では、自然にひらめきを頼ることで多くの問題が解決できる。

 日本のエンジニアたちは、ある問題を抱えていた。新幹線はトンネルに入るときに、とてつもなく大きな音を出した。この問題を解決するために、エンジニアたちは水しぶきひとつあげずに水に飛び込む鳥、カワセミに助けを求めた。彼らはその解決策を見つけた。つまり、彼らはカワセミのくちばしと同じ形に電車の先端の部分をデザインしたのだ。
 ジンバブエのハラレにあるイーストゲートセンターは、その環境にやさしい空調システムで有名である。この建物を設計した建築家たちは、シロアリの塚から着想を得た。シロアリは塚の小さな穴を開閉することで生活空間を快適な温度に保っている。建築家たちはイーストゲートセンターに同様のシステムを用い、電力を節約した。

 サメは地球上でもっとも古い生物のひとつである。彼らは環境に完全に適している。たとえば、皮膚の模様はサメをバクテリアから守っている。科学者たちは学校や病院のような場所で細菌を抑えるために、どのようにしたらこの同じ模様を壁に用いることができるかを見出した。

Section 4  本文和訳

 ベニュスはバイオミミクリーが、私たちがもっと自然を知るのを手助けする、そうすることで私たちに生活様式を変えさせることになると信じている。私たちは自然を永遠に利用し続けることはできないし、自分たちの出すゴミを私たちの環境に捨て続けることもできない。

 あまりに長い間、私たちは技術革新が自分たちにとって有益かどうかで、あるいはそれらがもうかるかどうかで判断してきた。ベニュスは、私たちが地球全体にとって有益なことをまず第一に置き、そしてそれが私たち人類にも有益であろうと信じることを提案している。その際の新しい質問はこうだ。「それは適合するだろうか」「自然界にこの模範はあるだろうか」「それは地球と未来の世代にどんな犠牲や損失をもたらすことになるだろうか」

 バイオミミクリーは私たちの将来に重要な役割を果たす強力な手段である。大昔には、とても大きな世界にほんのわずかな人類しかいなかった。いまは、人口は急速に増加し、私たちは環境に悪い影響を与えはじめている。私たちはついに、「どうすれば私たちの故郷の惑星を破壊することなく住むことができるか」という質問に対する答えを探している。ベニュスは、バイオミミクリーは新しい自然の見方であるだけでなく、地球という惑星で私たちが生存し続けられるかどうかのカギでもあると信じている。私たちは地球で生きていくことを学ばなければならない。地球は私たちの故郷だが、私たちだけのものではないのだ。