CROWN 2 Lesson 1 A Boy and His Windmill

Lesson 1
A Boy and His Windmill

(pp.4-11)

少年と風車

 アフリカの村の生活はとても厳しくなる場合がある。おおかた、電気や水道がない。十分な学校がない。ひとりの14歳の少年が、自分で事態を変えようと決心した。そして彼はひとりでそれを成しとげることになる。

Section 1 本文和訳

 ウィリアム・カムクワンバはマラウィの60家族からなる村で育った。彼が13歳のとき、ひどい干ばつがあった。家族が一日に一食しか食べなかったことを彼は覚えている。家族が学費を払えなかったので彼は学校を辞めなければならなかった。

 ウィリアムは村の図書館で日々を過ごした。英語はほとんど読めなかったが、彼は本にある図版を観察した。電気を作る風車の写真を見て彼は思った。「もし風から電気が作れるなら、ぼくにも挑戦できる」

 そのような貧村出身の少年がテクノロジーに興味を膨らませたとは信じがたいことだ。しかし、それこそまさにウィリアムが成したことだ。2002年、14歳のときに、彼は自転車や自動車の壊れた部品と村の木から得た木材で風車を作った。その全貌はがらくたのように見えた。

Section 2 本文和訳

 隣人たちはウィリアムを笑った。母親でさえ彼は頭がおかしいのかもしれないと思った。
 「彼は役に立たないことをしていると私たちは思っていました」と彼女は語った。
 けれどもウィリアムは作り続けた。とうとう、風車の初テストの準備ができた。人々が周りに集まってきた。

ウィリアムは塔に登った。だれかが言った。「この子が本当にどれだけ頭がおかしいか見てみよう」

 車輪が回転しないよう固定していたワイヤーをウィリアムは取り外した。車輪とアームが回転を始めた。彼は思い起こしている。「ぼくは奇跡が起きるのを待ちました。とうとうそれが現実になったのです。最初はかすかな光でしたが、次に明るい輝きになりました」

 だれかが叫んだ。「あの子はついにやった」 もはやだれも笑うものはいなかった。
 風車は、ウィリアムの家のすべての部屋を照らすことができた。ランプのオイルを買う必要はもはやなくなった。

 「今、私たちの生活は(かつてに比べて)はるかに幸福です」ウィリアムの母は語った。
 ウィリアムの風車のニュースは村を越えて広まった。
 2006年、マラウィの著名な教育家ムチャズィーメ博士は風車について聞きつけ、何人かの記者を伴いカムクワンバ家に駆けつけた。彼は非常に感心し、ウィリアムを援助する決断をした。ウィリアムの風車の記事は地元の新聞各紙に掲載された。すぐに彼の名声はマラウィを越えて広まった。

Section 3 本文和訳

 2007年、ウィリアムはタンザニアの国際会議で講演する招待を受けた。「私は風車についての情報を得ました。挑戦する。そして、成功しました」 彼はたどたどしい英語で語った。そこにいた人たちは彼が貧困に戻ってほしくなかった。彼らは、ウィリアムに助けるためになにができるかと尋ねた。そして彼は明快に答えた。「私は学校に戻りたいし、家族が再びひもじい思いをしなくてもよいように引き続き風車に取り組んでいきたいです」

 ウィリアムの名声はアフリカを越えて広まった。彼の話題は、アメリカでいちばん有名な新聞のひとつやアメリカのテレビで取り上げられた。

 2009年、ウィリアムの話は国際的に出版された本に登場した。

 2010年、彼はGO創造賞に輝いたが、これは新しい発想や技術を発展途上国の若者とわかちあうことを啓発するために授与される賞である。その翌年、ウィリアムはオンライン上のグーグル科学フェアのゲスト講演者として招かれた。

 ウィリアムは後援者から多くの援助を受けてきた。彼らは彼の家に新しい電線を敷設し、首都リロングウェのインターナショナル・スクールに通う学費を払いさえしてくれた。

Section 4  本文和訳

 ウィリアムの風車は電気とともに名声とお金を家族にもたらした。しかし、進歩は技術の問題だけではない。教育そして人々の考え方の問題でもある。ウィリアムの村は依然貧しい。十分な数の学校はまだないし、人々はまだ科学より魔術や呪術を好んでいる。

 一部の村人は、ウィリアムの家族の富と名声に怒っている。乾燥した土地に渇望されている雨をもたらす雲を、風車が吹き飛ばしていると考えている人もいる。風車が呪術だと考える人さえいるのだ。

 しかしウィリアムは作り続けている。彼は現在、村全体に電気だけでなく水をもたらす風車の建造案をあたためている。そして、国中のほかの村々のため、さらに多くの風車を作りたいと思っている。

 ウィリアムは、政府や援助団体が救援に来てくれるのを待っていないアフリカ人新世代に属している。彼らは自分自身の問題に解決策を探している。